【実話】アタシの値段~a period~

『………。』



「ココア?」


『………。』


言葉以前に、何の反応もない。

彼女は表情一つ変えず、ブラインド越しに窓の外を見ている。


「じゃあ…ココア入れるな。」









『…が…いい…』





キッチンへと向かう俺の足を止める。




「え?」

振り返る俺に、

『珈琲がいい。』

そう言った。



視線は相変わらず窓の外で

けれど彼女はそう言った。