車に乗る気になったのか 俺の肩を掠めて歩き出すユキ。 傘もささないままの彼女を追い越して 俺は助手席のドアを開けた。 けれど彼女は そんな俺を無視し 目にも入らないといった様子で 夜道を歩いて行く。 なんなんだよ… 拒絶される理由の分からない俺は 歯がゆさと苛立ちの混じったため息を一つ吐いて ひとり 運動席へと乗り込んだ。