「花。俺と付き合え。 俺はそのままの花が好きだ」 優しさに彩られた漆黒の瞳と、意地悪く歪んだ口元はとてもアンバランスで。 それなのに私は、そんな一成にさらに引き込まれてしまった。 だから、そう告げられたときも。 なんで命令口調なのよ、と悪態をつくなんてことは出来なくて。 「うん。私も、好き」 本能のまま、そう涙を流しながら頷いて。 一成に思いきり抱き着くことしか、頭に浮かんでこなかった。