バタン
ふたりは、仕事で、海外に旅立って行ったんや…。

それからの2週間は、なんや、みんな、学校でも楽屋でも、めっちゃ、静かで…。
って、おれもなんや、ポッカリ穴が開いた感じがしてん。
特にたけちゃんは、明らかにテンション低くて、眉間の皺がいつもより、倍増してる気がすんねんけど。
まぁ~、理由は、真莉やろ~な…。

いつも、真莉が、近くに居らん時は、あんなんなんねんもん、分かりやす過ぎやねん。
せやけど、付き合うてへんってゆうのんが、未だに?やねん。
なんで、なんやろ~な~?!
よし、聞いてみよ~!!
男拓斗の精一杯の勇気を振り絞り!
近寄るなオーラを全開に放つたけちゃんに話しかけてみた。

拓『なぁ~、たけちゃん?!』

健『あ゛ぁ~』

拓『…そういえば、真莉から、電話とかあったん?!』

健『…ない』

拓『そうなんや~。たけちゃんからは、しないん?!』

健『俺からは、出来へんねん…』

拓『なんで、なん?』

健『…あいつ、海外用の携帯持ってへんしホテルが、なんや、撮影場所によって、泊まるとこ変わるらしいねん。
それに、こっちと昼と夜が逆転してるやん…
せやから、一番最初のホテルから、電話あったきりや』

拓『そうなんや~…翔太くんとこにも?!』

健『おん…おばちゃんが出たらしくて、すばるくんは、あれから、しゃべってないらしいで』

拓『そうなんや~…。なぁ~、たけちゃん?!』

健『なんやねん…』

拓『…たけちゃんは、真莉のこと好きなんやろ?
なんで、言わへんの?!
真莉もどうみたって、好きやんか』