~Shota side~
あの時の事は、一生忘れへん。
こいつらも一生、死ぬまで忘れられへんことやねん。
あいつが生きてた事も、あいつが死んだ事も…。

特に健人と真莉にとっては今まで、生きてきた中で一番の衝撃やったはずやから。
俺やって、衝撃は、でか過ぎた。
慶太もマルも拓斗も絵里も省吾も…。
あいつを知ってるヤツは、今まで心の奥底に封印してきたものやから。
龍は、知らんからしゃーないねんけど、あの質問は、あいつらにとって
笑えない質問なんや。

親友が苦しんでる時、気付いてやれなかった。
分かってあげれんかった。
信じてやれんかった。
守ってやれんかった。
助けてあげれんかった。
側に居ってやれへんかった。
今頃、悔やんでもしゃあないんは分かってんねん!

せやけど、あの時こうしてればって…。
忘れたわけやない!
出来るなら、夢だったって思いたいくらいや。
せやけど思い出さないようにしてんねんけどそんな事、無理やねん。
せやって、初めて、自分たちの目の前で人が落ちていくのんを見たんやから。
最後は、笑顔で…。

その日は、珍しく、みんな、仕事も休みで、全員が大阪に帰っとった。
別に何かの前ぶれなんかがある訳やなく空も快晴で、雲ひとつない空やった。
夜になれば、星がきれいな空やった。
せやのに衝撃は、突然訪れる。
一生忘れないあいつの名前
『青山 海斗』
20歳で、終えたその日を…。