メイドが執事に恋をする




―ドンッ

食堂から出るとあたしより背の高い香織の背中にぶつかった。

はっ、鼻が潰れちゃうよっ。

「いひゃい。
いきなり止まらないでよっ……ね…。」


文句を言うのに顔を上げると香織の向こうに桜井さんが立っていた。


「…っ…。」



急いで準備とかで忘れてたけど…。




桜井さんをを見た途端今朝の出来事を思い出した。


そういえばあたし桜井さんとキスしちゃったんだった。

しかも結構ディープな…


きゃぁぁぁ。

思い出せば思い出すほど恥ずかしくなって来て上げた顔は今は床を見つめている。

ど、どんな顔して会えばいいのよぉ。


もう、逃げ出したい。

あたしは香織の背中に隠れた。


「おはようございます。」

「あぁ、おはよう。」


そんなあたしを余所に2人は挨拶を交わしている。


「どこかにお出かけですか?」

にこやかな桜井さんの声が聞こえる。

「ええ。
この子と映画とショッピングなんです。」

そう言って背中にいたあたしを桜井さんの前に立たせる。