それから数日。

あの夜話した時以来、あたしの中で高橋に対する気持ちが変わって来たような気がする。



結局、朝まで起きていようと思っていたのに気付いたら寝てしまってて。

高橋は朝来て「今日、明日休みますので抜け出さないでくださいね」なんて言いながら帰って行った。



……もしあたしが抜け出したりしたら、高橋に連絡が入って休みが休みじゃなくなるかもしれない。



そう思って退屈で雑誌を買いに行きたかったけれど、我慢してベットで過ごした。








―――そして今日は……



「先生、点滴の針が痛いんですけど……」



「ちょっと見せてね」


高橋が腕を持って点滴の針を確認する。



「……っ」


「大丈夫?これで痛くないと思うけど」


「ありがとうございます」



「うん。あんまり動かさないようにね。また痛くなったらすぐに言ってね」

……いつもと変わらない優しい態度に、

「はい!」



良い返事。



ニッコリ笑った後、高橋はくるっとこっちを向いてその笑顔をキープしたまま歩いてくる。