……あたしは、ちゃんと分かってる。


どうして高橋が怒らないか。



あたしに優しいか。



「何がですか?」



高橋は首をかしげながら聞く。


「……高橋があたしに優しいのも、付きまとうのもあたしに手術を受けてほしいからでしょ?

仲良くなってあたしを説得して手術を受けさせるつもりだったんじゃないの?」





きっとそうなんじゃないかと思う。



手術が終わったらきっとあたしの事なんか気にしなくなるよ。




そのやさしさも手術するまでの限定だと思うから。



手術するつもりは無いけど。



手術するまで高橋があたしに付きまとうなら、


それまであたしも思いっきり困らせてやる。


「そんな事思ってませんよ」



「分かんない。
コロって態度変えるんじゃないの?」



……信用できない。




「もう寝てください」




ポンポンと布団を叩いて立ち上がろうとする高橋。