やっぱり抜け出して高橋を困らせてやろうか。



そんな事ばかり考えていた。



――――夜。



カーテンが揺れる気配がして、

あたしは目を覚ました。

何度か瞬きをして、揺れた方を見つめる。



「高橋?」

「ごめん、起こしちゃった?」



暗くて良く見えないけど、



なんとなく高橋の様な気がして名前を呼んでみると、



高橋の小さな声が聞こえてきた。

こんな夜中に、何の用?



「高橋、何してんの?変態?」

「見回り」



あたしが少し笑いながら言うと、真面目に低くトーンを落として答えてくる。


今日、当直だったのか。



「はい、肩出して寝ない」