「……ちょっと待って?それでどうして好きって事になるの」


意味が、分からない。



「だからー!嫉妬でしょ」

「はぁ?」

アレは違う。



そんなのじゃない。


確かにあさみと椿に対してヘラヘラしてる高橋を見て苛々したけれど……



あんなのは嫉妬なんかじゃない。

……ただ、高橋に苛々しただけだから。

「そ・れ・に!心から挑発するなんて珍しいじゃない!初めて見たし」



……だって病院退屈なんだもん。


高橋からかう位しか面白い事が無いんだもん。


でも……それは!


「それは好きとかそんなのとは違うってば!」



「まぁ、気付かないって事もあるし。ちょっと意識して見てみなよ!……世界が変わるかもよ?」


ねー? とお互いに顔を見合わせて笑い合うあさみと椿に、

あたしはこれ以上何を言っても無駄だと思って口を閉じた。

なーにが 世界が変わるかもよ? よ。


……世界なんて変わるわけない。



ずっと、制限されて楽しめない世界のまま。