「失礼しまーす……って。相変わらず自分の部屋みたいだね」


「そう?」



病院のあたしの部屋に一歩入ってすぐあさみが感想を漏らす。



続いて椿とあたしも入って……あ。


同室の人はどこかに行っているのか、ベットが空っぽだった。


「コレ、こんなに必要?」



そう言いながらあさみが指差すのはまとめて置いてある雑誌の山。



自分の部屋ー……って訳でもないけど、必要な物は沢山置いてある。

ヘアアイロンなども発作が治まって入院が決定した時に家に一回戻って持ってきたくらいだし。


「必要」

どうせなかなか退院させてくれないって事を理解してるから、荷物も多くなった。


不便な生活は嫌だもん。



「これだけあれば、退屈しないでしょ」

「……するけどね。携帯も出来ないし」

「あんた……わがまま言わないの」

あさみと椿はあたしのベットに寝転がって雑誌を適当に手に取り読み出す。


あさみと椿も、お見舞いに来た人……と言うよりも友達の部屋に遊びに来た人って感じだけど?


すっかり寛いでるし。