あさみは良く病院にお見舞いに来てくれるから清水先生の事は知ってる。



「先生なのに、高橋って呼んでるんだ」



「……先生だなんて思ってないからそう呼んでるんだよ。
あんなのが先生なの?って感じなんだよ?年だってあたしと9しか変わらないし……」



「9って事は……28?
医者としては若い方なんじゃないの?格好良い?」



生クリームを口に運びながら目を輝かせる椿。



「全然格好良くなんか無いよ。
弱々しいって言うか……頼りないって言うか。
あんなのにあたしの心臓任せられないし」



「えー……良くない?格好良さそう」



「全っ然」

「ふーん」



この前は不覚にも笑顔にドキっとしてしまったけど。


あれはきっと、気のせい。



「パフェ、食べる?」

「止めとく」

スプーンでパフェを指す椿にあたしは首を横に振る。

食べたいけど……糖分高いし。



抜け出してまた発作起こしたらお母さんから何て言われるか。




ブーッ、ブーッ……





携帯のバイブの音がして、


3人とも一斉に自分の携帯を確認する。