「いいじゃない、高橋先生でも」
お母さんはニッコリ笑って高橋を見る。
そ、そんなに軽くていいの?
娘の命預けないといけないんだよ!?
他人事のように言うけど……。
「心ちゃん、そんな不安そうな顔しないで。
先生も補佐っていう形で入るから大丈夫だからね」
そんな事を言われても、不安な物は不安で。
そりゃ高橋だって一応医者なんだから大丈夫だろうけど……。
「……何で今その話を?」
別に手術しないって言ってるんだから、そんな事話す必要ないんじゃないの?
「いつ発作が起きて緊急手術になるか分からないから、今のうちに言っておいた方が良いと思ったんだよ」
発作が起きたら……。
その話をするってことは、またあたしが発作を起こすことを想定してる。
そして、そうなればいつでも緊急で手術を行うかもしれない。
苦しくてもがいてるあたしを乗せたストレッチャーが手術室に入っていくのを想像すると、思わず顔が歪んでしまう。
……大丈夫。大丈夫なはず。
発作は、あたしが無理をしない限り起きる事は無いでしょ?
あたしは絶対手術はしないから!
「大丈夫です。手術はしないんで。高橋なんかにあたしの命は預けません」
絶対にするもんか。



