「まだ検査結果が出てないからね?もう少しだよ。
でも、今日は話があってきたんだ」
「話?」
どうせ、何の話をするかは分かってるけど。
「あぁ、手術の事でね」
ほら、きた。
「だから手術は受けないって言ってるじゃないですか……」
「うん、手術しなさいと言う話ではなくてね、ちょっと」
移動しようか、とあたしを促す清水先生。
ここでは、話せないことなの?
カンファレンスルームに連れて行こうとしているみたいだけど、あたしは動かない。
手術はしないんだから。わざわざ別室に移動してまで話を聞くことなんてない。
「ここでいいです」
ベットの上から動かず、真っ直ぐに見据える。
「でも、」
「手術はしませんから。ここで言って下さい」
心、とお母さんが後ろから怒るように名前を読んだけど振り向かずに、困った顔の清水先生を見る。
「……じゃあ、ちょっとした、だけど大切な報告だと思って聞いてね?」
動こうとしないあたしを見て諦めた先生は、部屋の入口へと向けていた体をコチラに向けなおす。
「今日は執刀医について言っておくことがあったんだ」



