「どこが?」
あの弱々しいどこがカッコイイの?
あたしにおちょくられていつもあたふたしてるんだよ?
確かに……顔は悪くないしまぁまぁだと思うけれど。
「目の保養ってやつ?高橋先生の顔みたら元気になるのよね」
「……そう」
まぁ、疲れてるお母さんが高橋の顔を見て元気になるならそれでいいんじゃない?
顔は見たって減るもんじゃないだろうし。
あたしはアイツの顔を見ると疲れるけど。
高橋よりカッコイイ人なんて、きっと病院中を探せばいっぱい居ると思うし。
あー……でも、医者の中で考えたらかっこいい方なのかもしれない。
他の病院を探せばもっとかっこいい医者なんていっぱいいると思うけど。
「なによ、心だって最初は拒絶!高橋先生完全無視!だったのに今じゃ普通に喋ってるじゃない」
冷めた視線を送っているとニヤニヤしながらあたしを巻き込んでくる。
……まぁ。
最初は思いっきり無視だったけど。
「それは……暇だし?
退屈だから高橋をおちょくって困らせて、困ってる姿を見て遊ぼうって思ってるだけ」
別に深い意味はない。
「あんた……知らないでしょ。普通だったらあそこまでしてくれないわよ?」
お母さんは呆れたようにため息を吐く。



