じっと高橋を見ていると、キョトンとした顔で。

こちらに少しだけ顔を動かす。



「ムカつかないよ。
だって岡本さん、僕にしかそんな口聞かないし」


……また。




コイツは変な解釈をしてる。

変な所でポジティブっていうか。

「は?」

「お母さんとか、友達とか、清水先生にはそんな言い方しないよね」

何を言いだすんだ、この人は。



高橋にしかそんな言い方をしないのは、あたしがあんたをなめてるってだけなのに。



「僕にだけの態度でしょ?
僕には強がってるしか見えない」

あたしを少し見ながらニッコリと笑う高橋。

普通、自分にだけ態度変えて……馬鹿にしてんのかって逆に腹が立つでしょ。



それに、強がる?あたしが?

……別に強がってなんかない。



「何でそうなるのよ」



「だって、早く退院したいのも両親を心配させない為でしょ?」



予想していなかった高橋の見方に目を見張った。