―――誕生日。



「はい、良いよ」



カシャンと金属の音がして、あたしは看護師さんに服の前を留められる前に手元を見ずにボタンに手をかけた。



「お誕生日、おめでとう」


「ありがとう、先生」




看護師さんにもおめでとう、と笑顔で言われる。



「20歳かぁー……心ちゃんも大きくなったね」



もう、清水先生にお世話になって7年にもなるんだ。




笑顔で清水先生と看護師さんを見てて……気付く。



「先生、今日高橋は?」



この前、ここで話している会話をあの人に聞かれてる事が分かって


あたしが高橋を心配してるって思われなくて小声で清水先生に聞いた。