「椿の誕生日って何あげたっけ?」


ベッドに座ってあたしの棚をあさり始めたあさみに聞く。


「えっとねー……時計じゃなかったっけ?ちょっとお高いの」



お洒落な時計をあげたっけ。



「人にあげたものは思い出さなくて良いから、欲しいもの教えてよ」




あさみにはいままで何あげたのか、記憶を辿りながら考えていると、あさみが急かす。


欲しいもの……。




欲しいもの?



別に無いんだけど……。



買おうかなって自分で思っていた物はあるけど……



それをあさみ達に頼むか。






「決めた」


「何?遠慮はしないでよ」


あさみが耳を傾ける。


「パズル」



あたしが頬を緩めながら欲しいものを告げると、



「はぁ?」



言った途端、あさみは声を上げる。





「だから、パズル」