「どうしました!?」



周りにいた看護師さん達も寄ってくる。




「清水先生に連絡して!運ぶから!!」


看護師さんに指示する高橋の声。

「岡本さん、深く息を吸って。大丈夫だから」



耳元で高橋の声がして、あたしは言われた通りに深呼吸をしようとする。



運ぶってどこに……?



思わず高橋の腕を掴む。




「手術……しないで」




お願いだから。




あたしから、これから先の楽しみまで奪わないで。


「…嫌……手術だけは……」



薄れていく、意識の中で、あたしは必死に高橋にお願いする。



意識が飛ぶ直前、高橋の「大丈夫……」って声が聞こえた気がした。