窓から見える景色。




風が吹き、枝が揺れて緑色を失った葉っぱが次々と落ちていく。



一枚、また一枚と。


季節も暑かった夏から秋へと変わろうとしているのに、その季節特有である秋の匂いも此処からでは匂う事も出来ない。




鼻を掠めるのは、消毒液の独特な匂いだけ。

……外の空気を吸いたい。



この場所から早く出たい。


……また、この場所に戻ってきてしまった。



ベッドに上半身だけを起こした状態のまま

あたしは窓の外を見ている。

――――景色を見ながら思う。

……もう此処に戻ってくるつもりは無かったはずなのに。

あたしはいつまでこんな所にいなければいけないのだろうか。

早く退院したい。

こんな所に座って窓からぼんやり外を眺めるだけしかできないなんて時間が勿体ない。



こうしてる間にも時間はどんどん過ぎていくのに。


あたしには、やりたいことがいっぱいあるのに。