初めてあんな口調であたしに言った。


……なんだ、怒れるんじゃん。


「ね、自分の体の事、分かってるよね?」



「……」




分かってる。



そう答えても 分かってないって高橋に言われるんだろう。




それが分かっていたので、黙ったまま。


視界にある高橋のスニーカーを見つめた。


優しく怒られた方が……キツいかも。


さっきみたいに怒鳴られた方が全然マシ。





「……電話、良いの?」




高橋は答えないあたしに呆れたのか、それ以上責めるような事は言わずに話題を変えた。


「あ……」


高橋にいきなり怒鳴られて忘れてだけど、あさみと電話してたんだった!



あたしは慌てて電話を耳に付ける。



「もしもしあさみ!?」



呼び掛けてみたものの、無機質な機械音が聞えてきただけだった。




あー……



あたしは携帯の終話ボタンを押して閉じる。