あたしは、中学に入った年の冬に心臓発作を起こした。
体育の授業で持久走をしていた時。
小学校だって持久走はあったけど、中学の持久走はレベルが違くて。
何キロも走るんだもん。
走ってる途中で、心臓が急に痛くなって倒れて。
今までに感じた事の無い刺すような、締め付けられるような心臓の痛み。
意識が朦朧として、心臓の痛い事と、
一生懸命心臓が脈を打つ激しい音がしてる事しか分かんなくて。
ただただ、“助けて”と声には出せず心の中で叫んでいた。
そして、すぐに呼ばれた救急車で病院に運ばれて検査した結果、心臓病って言われた。
今までそんな事無かったのに。
いきなり倒れたと思えば病気だと言われて、それから生活が一気に変わった。
激しい運動もできなくなった。
食事も控えるべき物を言い渡され
一日に何粒も薬を飲まないといけなくなったし、定期的に検診に来ないといけなくなった。
それでも、たまには「少しだけ」と思ってしまう時があって。
何度か運ばれて病院のお世話になることがあったけど。



