そう聞く高橋にあたしも返す。
「そこまでして行かせたくない?」
分かってる。
高橋があたしの体を心配して行かないと行っていることは。
でも、
その心配がたまに腹立たしくなる。
大丈夫なのに。
自分の体なんだから、調子が良いとか、
今日はちょっと悪いとかちゃんと分かって動いてる。
「行かせたくない。写真展は元気になってからいつでも、どこでも見に行く事が出来るから」
真剣な目に思わず何も言えなくなりそうになるけど、
ここで負けたくない。
「あたしは行きたい!せっかくのチャンス逃したくないから。高橋が行かないならあたし一人で行くから」
高橋を睨むようにしてあたしは言い返す。
別に高橋はこなくてもいい。
あたしが一人で行ってくるから。
「それはさせません。
僕が休みでも、看護師に外へ出ないよう見てて貰いますから」
静かに帰ってくる高橋の言葉に……もう泣きそう。
看護師さんに見てて貰うって。
もう、監視じゃない。
さすがにここまで徹底してあたしの意見を却下されると心が折れる。
――写真展に行きたいだけのに。
遊園地って言ってるわけじゃないのに。



