【完結】先生との恋



「何で?用事があるとか?」

少し驚きながらも先に用事を入れていたのかと思って聞く。

ずっと休みなしで働いていたし、

二日目の休みの間にしなければいけない事とか、

用事があるかもしれない。



だけど、あたしの質問に高橋は首を横に振る。



用事、無いの?

「じゃあ何で」



「……いざというときが困るから。
僕は近くの本屋とか、いつもみたいにそこら辺に行きたいのかと思ってた。
それならいざというときにすぐに病院に戻って来れるけど……ショッピングセンターはすぐに戻ってこれる距離じゃない」



ちょっと待って?



行けないって、あたしが発作を起こした時の事を考えて行けないって言ってんの?


「大人しくしてたら発作は起こさないでしょ?」



反論するあたしに高橋も言い返す。



「何かあってからじゃ遅いんだ。検査を受けて、きちんと退院してから行った方がいい」


さっき広告に二回も目を通したはずなのにそんな呑気な事を言う高橋にあたしは苛ついてくる。