高橋も……白衣を羽織ってるだけだから寒そう。
相変わらず人の心配ばっかり。
「そんなにあたしに退院して欲しい?」
「退院して欲しいですよ。
でも、手術をしてしっかり病気を治してから退院して欲しいです」
……手術はしないけど。
ふと見れば、隣の高橋もやっぱり寒いのか腕を擦ってる。
「……高橋寒そう。入れてあげる」
寒そうにしてる高橋に近付いてブランケットを大きく広げて高橋にもかける。
「……部屋に戻りませんか?」
高橋は黙って掛けているのを見ながら話す。
まだ、この話をするまでは戻らない。
「だって部屋に戻ったら人がいるじゃん。……あたしは高橋と二人で話したいの」
あの人に聞かれたくない。
今までそんなこと全然気にせずに高橋と普通に話していたのに。
最近はあたし達の会話を聞かれてしまうのが嫌だと思うようになった。
高橋は寒さに耐えきれないらしく、立ち上がる。



