そう言うと、後は高橋先生に任せるよ、と高橋の肩を叩いて部屋を出て行った。
後に残された高橋は、困惑した表情であたしを見る。
あたしに何か言いたい事でもありそうだし。
今すぐにでも、何か言わせたいと思ったけど、ここでは嫌だ。
あたしはスニーカーを取り出すと、あさみからの手紙を持って高橋の横を通り過ぎる。
「あ、ちょっと」
高橋がすぐに反応して声を漏らしたけど、
あたしは無視して早足で中庭へと向かった。
……中庭へと一歩出た瞬間、冷たい風があたしに当たり体がブルっと震える。
……寒い。
でも、
こういうのも嫌いじゃない。
ベンチに座ると、
ひやっした感触が伝わる。
やっぱり寒いな……と思った時。
フワっとあたしの肩に何かがかけられた。
見ると、あたしが病室に置いてきたパーカーと暖かいキャラクター物のブランケット。
「そんな薄着で風邪引いたらどうするんですか。
せっかくもうすぐ退院出来るかもしれないのに……」
小言を言いながら隣に座る高橋。



