「バイト?本屋は?」
あさみからプレゼントありがとうってメールは着たけど新しいバイトを始めたって報告は来ていない。
あたしと一緒に本屋のバイトをしてたはず。
「短期だから本屋のバイトと掛け持ちでしてるみたいよー?
だから遊びに行ってついでに心に似合うの買ってきた」
って事は……
「新しく始めたバイトって……服屋?」
「そう。良かったわよー!
で、ちょうどその時にあさみちゃんから心に手紙預かって来たの」
お母さんは鞄から取り出した封筒をあたしに渡す。
わざわざ手紙?
携帯があるからメールすれば良いのに。
可愛いディズニーの封筒を開けると、中から広告とチケット、手紙が出てきた。
「一番最初に手紙を読んでってあさみちゃんは言ってたわよ。
じゃ、帰るからね」
紙袋と鞄を持ったお母さんはそう言うと足早に帰っていった。
お母さんが見えなくなるまでの少しの間だけ、
ベッドの上からお母さんを見送る。
そして、消えたのを確認してから几帳面に折り曲げられた手紙を開いた。