表示されている名前は「高橋」。
気付いたか……。

今日は少し気付くのが遅かったじゃん。



……本当はもう少しあさみと話していたいんだけど……


「ごめん。もう帰らなきゃ……」



あたしは震える携帯を掴んで席から立ち上がる。



用事も済ませたし。

「うん。
高橋先生、困らせないようにね」



あさみは笑顔であたしに手を振る。

あたしは頷いてから、店を出た。