「あっははっ!心可愛いーー!
知恵熱だって!知恵熱!!」


「ちょっと!何回も連呼しないでよ!」



目の前のあさみはジュースを飲みながら大笑い。

今日もあたしは病院を抜け出して本屋に寄った後、

近くのカフェであさみと合流した。



「……で?
熱出てる間ずーっと高橋先生に看病してもらってたの?」



ニヤニヤしながらあたしに聞いてくる。



「ううん。1日寝たら次の日には熱も下がって元気ピンピン」



ただ考えすぎて、頭が疲れてただけだから。


「でも……自覚したんでしょー?高橋先生が 好・き って」

わざと可愛らしく“好き”の部分を強調させるあさみ。



それを聞いて

あたしは何故か恥ずかしくなる。


「す……きとか!そんなんじゃない!
ただ…このまま退院するまで困らせてやろーと思ってるだけ」


あたしは目の前の氷が溶けてぬるくなった水をゆっくりと口に含む。



「とか言っちゃって。ジュース飲むの我慢してるしさー」

「うッ!……コホ…」

あさみに言い当てられて思わず飲んでいた水を零しそうになる。

「動揺しちゃってー!」



……ダメだ。