あたしはニッコリ笑う高橋の手から袋を受け取って中の物を取り出す……


「アイス?」



「食べたいって言ってたから。
さすがに勤務中にアイス買いに……はマズいから終わってからさっき行って来たんだけどね」



……買いに行ってくれたんだ。


あの時、聞いてないって思ってたのに。


流されたって思ったのに。



なんだ、ちゃんと聞いて考えててくれたんだ……



―――でも。


「コレ、甘くないじゃん……」



高橋が買ってきてくれたアイスは、


小さい氷に少し桃の味がついてるってだけで、あたしが想像していたアイスとは違う。

なんていうか、棒がついたアイスとか、チョコレートとかのカップアイスを想像してたのに。



「熱出た時くらい買ってあげようかなって思ったんですけど、それが原因で今発作が起こったら危ないなって思ったんで」

回復したら清水先生に聞いて食べましょうね



そう付け足されてあたしはアイスを見た。


買ってきてくれた事は嬉しい。



嬉しいけど……


「やっぱり甘ーいアイスが良かったなぁ」