ゆっくりと目を開けると、高橋が堪えながら笑っていた。 ……何よ。 「何で笑ってんの?」 人が熱出てんのに。 あたしは高橋を睨む。 「それ、知恵熱って言うんですよ」 ―――知恵熱? あ、そっか。 あたし、普段あんまり考え事したりしないから脳が疲れたって事? でも…… 「笑う事ないじゃん」 高橋は すみません と言いながらも笑い続けてるし。 「……でも、熱が出るくらい何を考えてたの?」 「何でも良いでしょ」 再び目を閉じる。 頭が、ボーっとする。