うらはらっ! [短編]



一瞬。ほんの一瞬目が合った気がしただけ。


それだけなのに、心臓はばくばくしてて。


その直後にマネージャーに向けられた笑顔で、全てが繋がった気がした。





告白、成功しちゃったんだ。





知らない間にこぼれていた涙。



もう、走ることなんて出来なくて。



急いで皆があんまり使わない水道へ駆け込んだ。

タオルで顔を隠して、「疲れて休んでる」風にしてみたんだけど…不自然じゃないかな?



ま、いっか。
今日くらいは泣いてもいいよね?



「…っく―っ…」



声を出さないように頑張ってるけど、いつのまにか号泣してるあたし。



マネージャーに向けられた笑顔を思い出して、ますます胸が締め付けられる。



あとでオレンジジュースを捨てに行こう。
捨てるのと一緒に、この気持ちも消えさせる。



それで、陽太にはちゃんと謝って、また友達になってくれるように頼んで…!



「…ばか…っよーた…」



考えれば考えるほど切なくて、苦しい。