鞄を掴んで、ゴミ箱からオレンジジュースを取ると教室を飛び出した。
幸い、ゴミ捨てに行ったばっかりだったみたいで、ゴミ箱の中はオレンジジュースだけだった。
ゴミ箱から取るとかきもいよね
でも、これが最初で最後の陽太がくれたプレゼントだから…
今は陽太のことなんか考えたくなくて。
大きく深呼吸をして、涙が出そうなのを必死で止める。
急いで部室で着替えると、アップを始めた。
皆はもうアップは終わってるみたいで、違うメニューをやってる。
今日は絶対くたくたになるまで走ってやる!
疲れて何も考えられないくらいになるんだから!
そう決意したのに、どんどん浮かんでくるさっきの状況と陽太のこと。
…何であんなこと聞いてきたの?
嫌いなわけないじゃんよ。
でも確かに、可愛くないことばっかり陽太には言ってたもんな…
誤解するのも当たり前か。
自業自得じゃん。
「好きな人には嫌われる」
昔からずっとそうだけど、慣れることは出来ない。やっぱり悲しい。切ない。
多分、友達…に戻れないよね。
「大嫌い」なんて言っちゃったし。

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