うらはらっ! [短編]



「嫌いじゃないって言ったら何…?」


「あ?」



どうなるのかわからなくて怖かったけど、しっかり陽太の目を見つめた。



「あたしがもし、好きだよっていったら何なの!?
陽太には、好きな人いるくせに…」



そう言った瞬間、少し驚いて赤くなる顔。
その反応をみて、確信した。



やっぱり陽太には、好きな人居たんだ。



結構一緒に居たつもりなんだけど…。
気づかなかったなー…



「陽太なんて…」





陽太、嫌だよ
マネージャーのところに行かないで

他の女の子のところになんか行かないで

部活頑張ってるとこも、優しいとこも全部大好き。



だけど、こんなこと言えない。

振られるってわかってるのに、告白なんて出来ない。

只でさえあまのじゃくなのに、そんな勇気ない。



今まで可愛くない態度ばっかりとってごめんね



大好きなのにな



「陽太なんて…っ。大っ嫌い…」



最後まで素直になれないあたし。

溢れてくる涙は、絶対陽太の前では流さないんだから。

そう思って、少し上を向く。