「これ…飲まなかったんだ?」
そう言って机の上に置いてあったオレンジジュースのパックを掴む。
「う、うん…」
陽太からもらったものなんて、もったいなくて飲めなかった。
中身が腐らないならず―っと取って置きたいくらいだし!
それなのに、陽太は
「俺があげたものなんか、飲めないか。」
って、寂しそうに笑って言った。
「ち、ちがう…っ」
もったいなくて、飲めなかっただけ!
って言いたいのに、陽太の顔を見ると苦しくて声が出ない。
「ごめんな、押し付けて。」
そう言って、ごみ箱にオレンジジュースを放り投げる。
「…あっ!」
せっかく陽太からもらった、大切な物だったのに。
「なに?」
冷たく言う陽太。
なんで?なんかおかしいよ。

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