「とりあえず入って?」


動揺を悟られぬようなんとか平然を装う。 


亜紀を連れてくるなら、一言連絡してくれればよかったのに。 


母さんを横目で睨むと、部屋に入り、“ある物”を急いで隠した。 


女にはわからないかもしれないが、男には見られたらマズイ物がある。


「おじゃまします」


遠慮がちにそう言うと、亜紀は恐る恐る中に入ってきた。