明るい道

「なんで家の電気ついてないの。親は。」
「親いないし。」
「そっか。」
涼太は何かを察知したのかそれ以上聞いて来なかった。
「俺の家に来ない?」
「えっ?けど…親居るでしょ。」
「大丈夫だよ。おいで。」夢架は嬉しさを顔に出した。
「行きたい。」
「おう。」
涼太と夢架は再び歩き出した。
「涼太は夜いつも何してるの。」
「バンド。俺ギターしてるんだぁ。」
「楽しい?」
「楽しいよ。俺スターになるのか夢なんだぁ。」
涼太は目をキラキラ輝かせた。
夢がない夢架には、もっと輝いて見えたんだ。

ねぇ涼太。
この時、夢架は涼太になら辛い過去を話してもいいと思ったんだよ。