「どこ行くの??」









「あぁ、ダメダメ、絶対教えない」







「いいじゃん、どうせ明日分かるのに」







「それでも、ダメ」





頑固、と呟いた私の声は、いつもより早く到着したバスのエンジン音でかき消された。





「さ、早く乗って乗って」








いつもなら絶対しないのに、私の背中を押してバスに乗せた。手を振る翔を置いて、バスは今日も発車した。