「翔…?」




その綺麗な金色は、風になびかせて私のほうを見た。





待ってたの…?寒い中……



翔はそのまま近づいてきて、手袋をぬぎ、私の手を握った。手はすぐに翔の温かさになじんだ。



「りんを送るのは俺の仕事だからね」


ニカッと歯を見せて笑う翔に、心が締め付けられた。


「あっ、あの……」




そのとき、雪を踏みながら走るエンジン音が耳に入る。バスはいつものように止まって、中からは運転手がこちらを見ている。