あのあと走り去ってから、翔には会ってない。


何が…?
何が「ごめん」?



分からない、いくら考えても、私には分からなかった。
でも…翔に会いたいとも思えなかった。



「ごめん」の次に続く言葉を、私はどこかで感じてる。


そのとき、頬を温かいものが伝う。
指で掬って、ギュッと握りしめる。





ほら、こんなにも好き



もう翔のいない生活が考えられなくなってる。




だから翔に会えない。
きっと嫌な私になってしまう。


会いたく…ない……



翔にはもう……





ふっと顔をあげると、もう目の前にはバス停。


そしてそこに……



白に映えた鮮やかな金色を見た。