年下ダーリン

「あの、スイマセ…」




「乗りませんッ!!」



キッと運転手を見て、そう叫ぶと、運転手は苦い顔をしてバスを出発させた。バスの中で私の乗車を待っていた乗客たちも、私をなんとも言えない顔で見ていた。






バスが出発して、二人を暗闇に照らすのは街灯だけになった。










「……なんで?」




ふりしぼったその声が、暗闇の中に響いた。



翔は、黙ってまだ荒い息遣いをしているようだった。




「なんで?なんで来たのッ!?」




「りん」



一歩一歩近づいてくる翔に、私は一歩一歩後ろに退いた。



「いやッ!!来ないでッ!!翔には…」



「……」



「翔には……」




そのとき、翔が私の片腕を掴んでいた。私はその力にビックリして、翔を見た。







途端に、こみあげてきた涙がいくらか翔と私の手の上に落ち、流れていった。