「だって……」





「婚約者がいたから?」







「……」







浮かぶ莉奈の顔……。整った目鼻立ち…。きっと翔と並んでも、釣り合わないどころか、すっごくお似合いだと思う。




私なんかと違って……







「りんッ!!!!!」







ガタンッと大きな音を立てて、依子が立ち上がった。




「りんらしくないよッ!!婚約者とかさー、まだ結婚もしてないのにッ!!」





「で、でもいずれは……」






「バカッ!!!りんのバカッ!!あんなに両想いなのに、それ以上なにが欲しいのよッ!!贅沢だよッ!!」





その言葉に、私はついカッときてしまった。