莉奈が現れたあの日から、私はいつもの生活に戻った。




バス停で翔に会うこともなくなった。校門で待っている翔の姿はない。







……でもよかったんだ。






これが『ふつう』




普通じゃなかった日常の刺激がなくなっただけの話……。






これで……よかっ…










「これでホントにいいの?」





「え?」





依子が私の目の前に買ってきたジュースを振りながら注目を自分に向けた。依子はフーッとため息をつきながら、私の前の席に座った。






「ずっと翔くんと会ってないんでしょ?」