「つまんなぁい」








「おもしろがるなっての」







依子は鞄から鏡とポーチを取り出して化粧を直し始めた。こうやって見ると依子は可愛い。てか、もともと女の子らしくて、ピンクが好きで、フリフリした小物とか持ってて、ホントに女の子。






私は下を向いて、スカートの下からのぞくジャージを見た。まともにスカートだけ着るのも嫌で、化粧なんかほぼしなくて、髪も一つに束ねただけ。女の子らしいところなんて何もない。その上、依子といたらいつも比べられた。そのたび、心が痛んでいることは、今でも忘れられない。








「りん??」








「えっ??なに??」









「いや、ボーっとしてるからどうしたのかな、て」










「してない、してない!!眠いだけだし」







ふーんと鼻を鳴らす依子が化粧を終え、鞄にポーチを直したときだった。