年下ダーリン

…………一瞬、何が起きたのか分からなかった。







差し出された依子の手は、翼の頬に触れ、私が次に見たときは、一度くっついた翼と依子の顔が離れているところだった。










な、なに……今の………ッ!!!!キ、キキキキスッ!!!???











あわわと慌てている私をしり目に、依子は翼の頬に触れたまま、今度は両目を涙でいっぱいにして翼を見ていた。







「好きッ、好き好き好きなの……。私、翼くんがりんの名前ばっかり出してるのが気になって、ついあんなコト口走っちゃって……。本心じゃないの……。ごめんなさい……。」







「より………ッ」





依子は翼が言葉を発する前に、頬に当てていた手をそっと離して、片手で涙をすくって笑った。






「でも、もう遅いの分かってるからッ!!だから気にしないでッ!!!気持ち伝えたかっただけ……。………りんと幸せになってね」