10年前、高校生だった私には初めてできた彼氏がいた。




お互い好きなのに意地をはり続けている私たちを見かねて、友達たちがくっつけてくれたんだ。




｢しょーがないな、俺の彼女にしてやるか｣

｢しょーがないな、私が彼女になってあげるか｣



そんな素直じゃない言葉で始まった両思いの恋。



内心は飛び上がって叫びたいくらいうれしかった。




気の合う女友達を演じていたけど、本当は中学の時から密かに好きだったなんて、悔しいから言わなかった。




付き合い出すと、想像していた以上に友達とは違う幸せであったかい日々が待っていた。




好きな人が自分を好きだなんて、奇跡だと毎日思った。




手をつなぐだけでその日１日がいい日になって、抱きしめられると生まれてきてよかったと思えたんだ。