「…綺麗」
ほんとに綺麗だ。小さな星たちがたくさん飛びまわってるみたい。
「美優、ごめんな」
夜空を見上げて隼人は私に謝る。
何を謝っているのかな。家を出ること?
そんなのしょうがない。私はずっと待ってるよ。いくつになっても。
「ねぇ、隼人。綺麗だよね。隼人のところだったらもっと綺麗に見えるのかな?」
少しの我慢じゃん。隼人はきっと良いお医者さんになって帰ってくるんだよ。
私はそう信じてる。
「きっと帰ってくるから。また美優のところに帰ってくるから」
「うん。待って…るよ?私は隼人のこ、と待ってる…からね」
やっぱり涙は出てくるものなんだ。


