【黄色いほっかむりの乱】


　過去にタイムスリップしてしまい行き場をなくしたベアトリクスは、劉備三兄弟と行動を共にする事になった。劉備三兄弟は「自分たちが歴史に名を残すためのアドバイザー」としてベアトリクスを丁重に受け入れ、彼女の生活の面倒を見ることと、未来に帰れる方法がないか一緒に探すことを約束した。
かくしてベアトリクスを含めた劉備三兄弟は、立身の第一歩となる黄巾の乱討伐に身を投じたのだ。
「俺の知り合いに公孫瓚ってお偉いさんがいてさ、何万の軍隊でほっかむりども迎撃に向かってるらしいから、それに合流しよう。うまくいけば、官位のひとつでも貰えるかもしれないから、それを足がかりに夢の漢帝国復興を目指すのだ。歴史の新たな1ページにもなれるはず」
との劉備の提案で、一向は幽州の公孫瓚のもとを目指した。もちろん、馬など購入する経済的余裕がないので、徒歩の旅だ。今彼らがもつ金銭は宿泊費と食費と、何より酒代にその多くが割り当てられていた。
旅の途中、ベアトリクスは、
「いきなり行って、仲間に入れてもらえるものかしら？」
と不安になり劉備に尋ねた。
「大丈夫さ、俺と公孫瓚は、盧植って人のもとで一緒に兵学を学んだ門下生なんだ」
「もしかして、その公孫瓚って人もコッチ系？」
「どうだろう。流石にソッチ系の話題を振ったことがないからね」