「なっ、なんだ貴様ら！」
呂布は迫り来る異様な三人の男に釘付けになった。いずれも屈強な男たちで、三人のうち二人は呂布に見劣りしない立派な体躯をしている。
「化粧をして戦場に来るとは、ふざけているのか！」
最初に駆けつけた関羽に、矛を繰り出す。大抵の兵ならこの一撃で葬り去られるのだが、関羽は性龍偃月刀でこれを受け止めた。
「ぬうっ！噂に違わぬ漢力（おとこりょく）！猫ということはなさそうだな！」
関羽は呂布の攻撃を押し返しながらニヤリと笑った。彼に遅れて、劉備と張飛が到着する。彼らは三人がかりで呂布を取り囲み、呂布の繰り出す攻撃をしのぎながら、必死に自分たちの魅力をアピールした。
「はじめまして、劉備です！劉ちゃん、劉兄ぃと呼んでください！趣味はお茶を川に投げ捨てる事、特技は手が長いから色々なアレができることです！」
「あっ、兄者ずるい。あらためまして、関羽です！みんなからはヒゲ殿とか呼ばれてますが、拙者はなんでもかまいません！チャームポイントは、この長いヒゲです！」
「おいら、この二人の義弟で張飛っていいます！趣味はお酒を飲むこと！だから、張飛とデートしたければお酒に誘ってくれるのが一番かなー、なんて！」
呂布は、三対一とはいえ自分と互角に打ち合う男たちに内心驚愕した。しかしそれ以上に、戦いの最中に告白らしきものをされた事に、大混乱していたのだ。
「じゃあ私もいちおー、はじめましてーッ！ベアトリクスでーす！趣味はいろいろあるけど、おもに漫画とかゲームとか小説！特技はタイムスリップです！」