ピッピッピッ…―――――――








一定のテンポを保った電子音がどこからか聞こえてくる。



起きなくては、という衝動に駆られ、ゆっくりと重い瞼を開けた。



パチパチと何度かまばたきを繰り返す。




今の自分の状況がいまいちよく理解できない。





頭がまだぼーっとしているのか・・・




「先生!!藍澤さんの意識が戻りました」





白い服を着た女の人がそう言うと、バタバタとせわしない足音が近づいてきた。




「涼…!!目が覚めたのね」



声のする方にわずかに顔を向けると、涙を流す母さんの姿があった。